上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
昨年末に行われた東京公演に、僕の知り合いが中学3年生の息子さんを連れて観に来てくれました。終演後、面会した時、その息子さんは一言も話さず、軽く会釈だけして帰っていきました。
年が明けて、石巻から荒波牡蠣が届きました。「
荒波牡蠣復活委員会」のオーナー制度の荒波牡蠣です。一人では食べきれない量でしたので、舞台を観に来てくれたその親子におすそ分けしました。
それから数日後、その母親から一通のメールをもらいました。
『今、中3の息子が高校受験の真っ只中で、面接の練習をしています。「気になるニュースは?」という課題に、震災のことをあげ、【イシノマキにいた時間】の舞台のこと、復興について、ボランティアについて、牡蠣の処理場のこと、そして実際に牡蠣をありがたくいただいたこと…という内容で自分から語り始めました。普段はあまりこういうこと言わないのでびっくりしました。舞台を通して大切な事を教わりました。ホントに見に行ってよかったです。ありがとうございました。』
胸が熱くなりました。
面会で会っても一言も喋らない控えめな思春期の男の子が、この作品を観て感じてもらえた事、本当に嬉しくてたまりませんでした。
同じく石巻でボランティア活動をしていた亀田さんという方も、高校生の娘さんと一緒に観に来て下さいました。娘さんは観てくれた思いを感想文にして学校に提出したそうで、本人の許可を得られたので、その感想文を読ませていただきました。素直に自分の思いを綴られたその感想文を読み、僕はとても感激しました。
大人でも子供でも、社交的でも内気でも、心にある想いは一緒なんだなと改めて教わった気がします。そして、この作品をティーンエイジャーにももっと観てもらいたいと強く感じました。
なんとか形にできればなぁと思っています。

田口智也