同じく会場ロビーでは、震災後すぐに石巻へ行き、今も石巻に住み活動を続けている写真家・鈴木省一さんの写真展【いしのまきのあさ】が開催されました。
「無くなってしまうと何十年とこの街に暮らしている私でも、そこ何があったのかわからなくなるの・・・」
と言った街の人の言葉をきっかけに、ショーイチさんは2013年の元旦から毎朝、朝日が昇る前に起床し石巻を撮り続けました。そして今回の東京公演で、ショーイチさんの強い想いを写真展という形で伝えられる事になりました。
ただ、写真展と言っても、どのようにやったのかいいかわからない僕たち。そこに強力な助っ人が現れたのです。アートディレクターの吉澤正美さんです。吉澤さんに今回の写真展のお話をすると「是非協力させてください!」と言っていただいて、ご多忙の中、何度も打ち合わせに参加してくださいました。そして、的確なアドバイスやアイデアを出してくださったおかげで、とても素敵な写真が完成しました。

ショーイチさんは皆さんに手伝ってもらいながら、1枚1枚丁寧に飾り、皆さんが帰られてからも退館時間ギリギリまで1人で続けました。



そして、完成!

さらに、入口から会場へ入ると

荻浜の写真がみなさんをお迎えしました。
はじめて石巻へ行った時、カメラを持っていかなかったというショーイチさん。活動を続けるうちに「伝えなければ」と自宅へ戻りカメラを持って再び石巻へ行きました。
ショーイチさんのパソコンには、何千枚何万枚と、当時から今までの写真が沢山入っています。
ですが今回の写真展で、当時の写真ではなく、元旦から撮り続けた【いしのまきのあさ】を選んだのには、「今の石巻」を伝えたいという大切な想いがあるからなのです。
そしてショーイチさんは、東京公演での写真展を終え、再び【いしのまきのあさ】を撮り始めています。