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石巻は、11時に開店して14時にランチが終了し、一度休憩に入るお店が多いです。なので、ランチのハシゴ(略してランハシ)をする時は、約3時間で回らなければなりません。
瑞幸で磯ラーメンを食べ終えた我々が、市内で真菜美さんと合流したのは、すでに13時を過ぎていました。
ここからあと何軒食べられるか、シゲさんと僕は時間を、石倉さんは胃袋を気にしてました。
まず、向かったのは

『レストラン おおたや』
石巻駅から徒歩5分の所にある、ご夫婦が営む創業30年のフランス料理店。

フランス料理だからでしょうか、背筋の伸び具合が、気品あふれる紳士のよう。
ジャージですが。

店内はステンドグラスやオシャレな食器が並ぶなど、西洋の趣を凝らていますが、決してかしこまりすぎず、たくさんの観葉植物にも癒される、とてもステキな空間です。
こちらのランチでは

季節の野菜を使ったパスタを注文。
そして

シゲさんと、なんと小食石倉さんもパスタを注文。
「食べられますか?」と聞くと「昨日の教訓を生かし、今日はイケる!」と豪語。その言葉通り、一気に完食されていました。
ちなみに真菜美さんが注文したのは

リゾット。
くぅ~、ウマそうだ・・・。こちらは次回のお楽しみに取っておきたいと思います。

食後は、数種類のスイーツからリンゴのシャーベットをチョイス。ほのかにワインの風味を感じる大人のデザートです。
30年前、この場所にお店をオープンし、創業当時はここに住みながら営業をしていたそうです。その後、お子さんが産まれたのを機に、自宅を元倉という場所に移し、親御さんと3世代で暮らし始めました。

今でも自宅からお店まで、夫婦仲良く自転車で通っていて、多少の雨でも「健康の為に」と自転車を使っているそうです。ご夫婦がそろって自転車に乗ってお店に向かっている姿を想像すると、とても微笑ましく思えます。
震災の時、お店は路地で2階だった事もあり、津波が激突することはなかったのですが、やはり揺れの被害は大きく、大きな窓は割れ、少しずつ買い集めたフランス製の絵皿や薄口グラスなどは、全部割れてしまったそうです。
ご主人は「不思議なもんで、良い食器は全部割れてしまって、残ったのは雑モノばかりなんだよなぁ。でもさ、残った食器でまた始めるしかないんだって思ったんだよね。」と仰っていました。

元倉にある自宅は津波の被害を受け、まずは自宅を何とかしなければならなくて、でも、お店の再開を目指し、自宅とお店を少しずつ行き来しながら、どちらも片付けを始めました。
しかし、ご主人は「もうだめだ。お店を畳むしかない。」と思った時があったそうです。その時、奥さんは「目の前のモノを片付けるしかないんだから」と言って、黙々と片付けをされていたそうです。
ご主人は後日、この話を真菜美さんにした時「こういう時は、やっぱ女の人が強いんだよなぁ。」と照れ笑いを浮かべていたそうです。
6月までは電気もガスも通っていなかったので、何もできなかったのですが、復旧し、珈琲豆はお店に残っていたので、奥さんのアイディアで、珈琲だけでも営業を再開させたそうです。

当時、開けているお店はほとんど無かったので、いろんな人たちが来て、本当に喜んで珈琲を飲んでいかれたそうです。食材が満足に手に入るようになるまでは珈琲と簡単なお菓子だけで営業を続けて、徐々に料理も始められました。
今でも、町の洋食店として地元の方に愛されるお店、そしてご夫婦なのです。
そんな温もりとやさしさが溢れる『レストランおおたや』。また、ご主人と奥さんに会いに行きたいと思います。